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葉っぱのフレディ(いのちの旅)(レオ・バスカーリア作)


■編集者からのメッセージ
この絵本を 自分の力で「考える」ことをはじめた子どもたちと 子どもの心をもった大人たちに贈ります。わたしたちはどこから来て どこへ行くのだろう。生きるとはどういうことだろう 死とは何だろう。人は生きているかぎりこうした問いを問いつづけます。この絵本が 自分の人生を「考える」きっかけになってくれることを祈ります。この本は アメリカの著名な哲学者 レオ・バスカーリア博士が書いた 生涯でただ一冊の絵本です。(田中和雄)

■作者からのメッセージ
この絵本を 死別の悲しみに直面した子どもたちと 死について適格な説明ができない大人たち 死と無縁のように青春を謳歌している若者たち そして編集者バーバラ・スラックへ 贈ります。
(レオ・バスカーリア)

■ものがたり(みらい なな 訳)
春が過ぎて 夏がきました。葉っぱのフレディは この春 大きな木のこずえにちかい 太い枝に生まれました。そして夏にはもう 厚みのある りっぱな体に成長しました。
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フレディがおりたところは雪の上です。やわらかくて 意外とあたたかでした。引っこし先は ふわふわして居心地のよいところだたのです。フレディは目を閉じ ねむりに入りました。
フレディは知らなかったのですが・・。
冬が終わると春が来て 雪はとけ水になり 枯れ葉のフレディは その水にまじり 土に溶けこんで 木を育てる力になるのです。
“いのち”は土や根や木の中の 目には見えないところで 新しい葉っぱを生み出そうと 準備をしています。大自然の設計図は 寸分の狂いもなく“いのち”を変化させつづけているのです。
また春がめぐってきました。

(葉っぱのフレディ:レオ・バスカーリア作、みらいなな訳、童話屋)